薄明かりのナデシコ

Anna様をお迎えしてから1ヵ月以上経ってしまいました。
もう1ヵ月ですよ!?　
時の過ぎ去る速さ、やばいですね。
このままだとあと10年くらいでお爺さんになりそうです(笑)




最近は暇さえあれば二つのことを調べています。
ひとつはドールにぴったりな「オシャレな着こなし」、
もうひとつは様々な「ポートレートの表現技法」です。
今回は前者について気ままに語ります。

ツイッターをはじめ、いろんなドーラーさんと交流を持つようになって、特に関心を持ったのはスマートドールでした。
元amazonのウェブサイトマネージャー、元MSのプロダクトマネージャーという
異色の肩書きを持つダニー・チュー氏が作り上げたスマートドールは、とにかく可愛くてオシャレ！　
ボディだけの美しさは継ぎ目の無い等身大シームレスドールが優位ですが、
服とのトータルコーディネートを考えるとスマートドールが一番スタイリッシュに感じます。

スマートドール

最初、この感じをAnna様で表現したい！と思いました。
そのためにどんなファッションをさせれば良いのか、
何がスマートドールをオシャレに見せているのか、
独自の研究を重ねました。

一つ目の理由は、服が専用設計ということです。
彼女らが着ている服は、いわば上から下までフルオーダースーツなのです。
余計な布の余り、皺、たるみなどは一切ありません。
かっこいいはずです。

二つ目の理由は、カジュアルな組み合わせです。
アニメキャラのコスプレ衣装のような派手さは一切ありません。
レディースのファッション雑誌で観られるような組み合わせばかりです。
色もブルー、グレー、ブラウン、ホワイトなどの落ち着いた色が多く、
それがかえって彼女たちの顔やスタイルを強調しているのです。

古着で再現できないかと思い手持ちを漁ると、スキニー（っぽい）ジーンズとグレーのカットソーが使えそうです。
スマートドールのサイトにもそういう組み合わせがありました。
では上着をどうしようと考えたとき、ふと過去の撮影を思い出しました。



おかしい。
ダサいとは言わないが、スマートドールの着こなしとは何かが違う。
その違和感を見つけようとしてサイトを凝視すること30分。
ようやく三つ目の理由を発見したのです。

上着をちゃんと着ていない!!


具体的には、彼女らの美しいボディラインを見せつけるように、上着を肩までしか通していないのです。
専用設計なので、多分これも計算ずくでしょう。
もしファスナーやボタンが機能したとしても、体の前でつなげるだけの布は無いのでは？と予想します。

過去の写真がイメージと違ったのは、体の前面を上着で覆ってしまい、
せっかくのスタイルの良さを隠してしまっていたからなのです。
同じ失敗はすまいと、古着屋ではライトグレーの薄い上着をチョイスしました。

さて、他にもスマートドールがオシャレな理由はあります。
四つ目の理由は絶妙なデフォルメです。
彼女らの体はとてもスタイルが良いですが、スタイルの良さだけならAnna様も負けていません。
ですがよくよく比べてみると、スマートドールの体は生身の人間ではありえない姿をしています。
頭が大きく、肩幅は小さく、股下が異様に長い。
加えて彼女らのウイッグも、リアルな人間がつけたらありえないような長さとボリュームです。
これらが不自然に見えないのは、彼女らがアニメ顔をしていることと、
全体の絶妙な（要はよく分からない）デザインのなせる技です。
衣装が記号化していて、ベルトやアクセサリーなどのサイズ感も人間用と比べて大きめになっていますが、
注意して観察しないと気付きません。

どれだけ緻密な計算をしているのでしょうか。
これは、ちょっとやそっとの技術では太刀打ちできないような気がしてきました。
というか、等身大シリコンドールでスマートドールの着こなしを真似るのが事実上不可能だと悟りました(笑)　
等身大シリコンドール、特にアルテトキオ様のプロポーションは人間としてナイスバディ過ぎるとはいえ、
まだまだ人間寄りの姿をしています。
学ぶべきはスマートドールではなく、人間のファッション雑誌の着こなしなのです。

ですが盗める技は盗みます(笑)　研究の成果を活かしたAnna様の着こなしがこちらになります！




カットソーは少しサイズが大きかったので、引っ張って皺を伸ばし背中でクリップで留めました
（決して胸ポチを強調したかったわけではありません）。
上着も肩で止め、バストとウエストのラインを活かします。

これからはスタジオ撮影と並行して、こんな服装のAnna様を街に連れ出して
ストリートスナップのモデルになって貰いたいですねぇ！